• 記事をシェア
  •  
  •  
  •  
  • B! 
  •  

ラズパイ(Raspberry Pi)をセットアップ・初期設定する方法

iPhone
Linuxマシン等を(ホーム)アプリのアクセサリにしてしまう HomeBridge というソフトを使えば、 iPhoneを使って家電などを音声コントロールすることができます。 ここでは、超小型コンピューター:Raspberry Pi(ラズベリーパイ)にHomeBridgeをインストールすることを目的に、 まずは、買ってきたばかりのRaspberry Pi本体をセットアップ・初期設定する方法を解説します。

必要なもの

PC 揃えるものはRaspberry Pi(中央:Pi Zero WH)、micro SDカード(32GB)、ACアダプタだけです。
ACアダプタは一般的なUSB ACアダプタ+micro Bケーブルでも良いですが、ケーブルにON/OFFスイッチが付いている、ラズパイ用として売られているものが便利です。 ACアダプタの代わりにモバイルバッテリーでも使用可能です。
HomeBridgeは、Raspberry Pi どのバージョンのものでも動作するようです。 ここでは最低構成のPi Zero WHにインストールしてみます。 Raspberry Pi Zero WH ボード&ケースセット(Amazon.co.jp) を購入しました。
価格はRaspberry Piが約4千円、ACアダプタが約1,000円、SDカードが約500円、合計約5,000円程度です。

RaspbianのダウンロードとSDカードの準備

PC Raspbianダウンロードページ(raspberrypi.org) からイメージをダウンロードします。 Raspbian Stretch Liteのサイズは351MB。 Zipファイルのダウンロードでは30分~1時間程度かかります。
raspberrypi.orgオフィシャルサイトではTorrentファイルも配布しています。 これを使えばBitTorrentなどで入手することもできます。 BitTorrentなら5分程度でダウンロードできます。
ただしBiglobeなど一部のプロバイダでは、BitTorrentは違法性が高いとして、日中は通信をブロックしている場合があります。 こんな時はBitTorrentをブロックしていないプロバイダに乗り換えましょう。
PC Zipファイルを解凍すると.img形式のファイルが現れます。 Raspbian Stretch Liteのイメージサイズは約1.8GBあります。 これをSDカードに書き込みます。
raspberrypi.orgのサイトでは、フリーソフトのEtcherを使った例を説明しています。 Windows(64bit/32bit)版、Linux(64bit/32bit)版、macOS版が公開されています。
Etcherをインストールして起動するとこのような画面になります。 「Select image」をクリックし、ダウンロードしたイメージファイル(.dmg)を選択します。
PC つづいてパソコンのUSBコネクタにSDカードリーダを接続/またはパソコン本体のSDカードリーダにSDカードをセットすると、このような画面になります。 「Flash!」をクリックすると書き込みが始まります。
PC 書き込み中はこのような画面になります。 約5分かかります。
PC つづいて書き込み結果のベリファイ(照合)が始まります。 これも約5分かかります。
PC 書き込みが完了するとこのような画面になります。 Etcherを終了させ、USBデバイスの安全な取り出しで、SDカードを取り出します。

ラズパイ(Raspberry Pi)の起動と初期設定

PC Raspberry Piにディスプレイとキーボードを接続します。 直接接続する場合は、HDMIコネクタにディスプレイを、USBコネクタにキーボードを接続します。
Pi Zeroのインターフェースはmicro-HDMIとmicro-USB Type Bです。 Raspberry Pi Zero WH ボード&ケースセット(Amazon.co.jp) には、それぞれ HDMI Type A, USB Standard-A への変換コネクタが付いているので便利です。
そしてACアダプタを接続し、電源を入れます。 無事起動すると、数分でこのような画面となり「raspberrypi login:」と表示されます。 ログインIDは「pi」、パスワードは「raspberry」と入力します。
PC 初期設定を行うには sudo raspi-config と入力します。 するとこのような画面になります。 上下矢印キーでメニュー選択、左右矢印キーで値の選択です。
なお、このツールはSSH接続時にも使用可能です。

ホスト名の設定

PC ホスト名を変更してみましょう。 raspi-configのメインメニューから 「2 Network Options」を選びます。
PC 「N1 Hostmname」を選びます。
PC このような注意書きが表示されます。 ホスト名には英数字のみが使用可能であるとの警告です。
PC ホスト名を入力します。 入力し終わったら、下矢印キーを押し、さらに左右矢印キーでOkを選択してEnterを押します。 ラズパイを再起動すれば、ホスト名が変更されます。

ホスト名を設定するもう一つの方法


viコマンドなどで、下記2つのファイルを修正します。
/etc/hosts
127.0.0.1       localhost
::1             localhost ip6-localhost ip6-loopback
ff02::1         ip6-allnodes
ff02::2         ip6-allrouters

127.0.1.1       raspberrypi
127.0.1.1と書かれている行の“raspberrypi”を任意の名前に変更します。
/etc/hostname
“raspberrypi”を任意の名前に変更する。
raspberrypi
なお、このファイルの編集にはsudoオプションが必要です。

ラズパイをWi-Fiに接続する

PC Wi-Fi接続を設定します。 raspi-configのメインメニューから 「2 Network Options」を選びます。
PC 「N2 Wi-Fi」を選びます。
PC 接続先となるSSIDを入力します。 入力し終わったら、下矢印キーを押し、さらに左右矢印キーでOkを選択してEnterを押します。
PC SSIDに対応するパスフレーズを入力します。 入力し終わったら、下矢印キーを押し、さらに左右矢印キーでOkを選択してEnterを押します。 ラズパイを再起動すれば、Wi-Fi接続されます。

Wi-Fiを設定するもう一つの方法


viコマンドなどで、設定ファイル「/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf」を書き換えて再起動することにより接続できます。 Pi3 Model B+ はIEEE802.11b,g,n,ac(2.4GHz帯/5GHz帯)に対応しているため、最近のアクセスポイントには問題なくつながるはずですが、相性が悪いと繋がらないことがあります。 5GHzでダメなときは2.4GHzでつないで見てください。
$ sudo vi /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
 
ctrl_interface=DIR=/var/run/wpa_supplicant GROUP=netdev
update_config=1
country=JP
network={
   ssid="[アクセスポイントのSSID]"
   psk="[アクセスポイントのパスワード]"
}

[ESC]:wq!
$ reboot
再起動後「ifconfig」コマンドを入力し、「wlan0:」のinet(IPアドレス)、netmaskなどに値が入っていればOKです。

ラズパイのSSH接続の設定

パソコンからSSH接続でログインすれば、ラズパイ用にディスプレイやキーボード、マウスを準備する必要がなくなります。 ラズパイには、ただ電源とLANまたはWi-Fi接続さえ準備すればOKです。
なお、 appleinsiderの製作記事のWebページ からダウンロードしたSDカードイメージを使った場合、すでにSSH接続は有効になっています。
PC ラズパイで、SSH接続を設定します。 raspi-configのメインメニューから 「5 Interfacing Options」を選びます。
PC 「P2 SSH Enable/Disable remote command line access...」を選びます。
PC つづく画面で有効/無効の選択画面となるので、左右矢印キーでYesを選択し、Enterキーを押します。
PC このような画面となるので、Enterキーを押します。するとトップメニュー画面に戻ります。 以上でSSHの設定は完了です。 ラズパイを再起動すれば、SSH接続できます。

パソコンからラズパイにSSH接続でログインする

iPhone ラズパイでSSH接続を設定したら、パソコンからログインしてみましょう。 ラズパイをWi-Fi接続するか、LANケーブルを接続して起動したら、まずラズパイのIPアドレスを確認します。 ルーターの管理画面で確認するか、図のようにFingなどのiPhoneアプリで確認します。
  • Fing - Network Scanner

    Overlook Soft ユーティリティ 無料

    ネットワークのスキャンと分析のための究極のツールです。 iPod/iPad/iPhoneが参加しているローカルWi-Fiネットワークに接続されている、すべての機器を一覧表示します。 MACアドレスとIPアドレスを表示します。Wake On LANに対応したデバイスにマジックパケットを送信して、電源ONにすることが可能。 あなたの家のWi-Fiネットワークの状態を確認するのに便利です。

  • iNet Pro - Network Toolbox

    BananaGlue GmbH ユーティリティ 800円

    iPhoneが接続されているネットワークの情報を収集、メンテできるツールです。 ネットに接続されているデバイスのメーカや名前のリストアップ、Ping、Bonjour browser、Portscan、Device info、Wake on Lan、Sleep on Lan (Macintosh only)、 Extensive help section、Send scan results via email、 サービスの検出その他多くの解析が可能です。

iPhone つづいてパソコンでターミナルソフトを起動して、ラズパイに接続します。 ここでは定番のTera Termを使います。 「ホスト」欄にラズパイのIPアドレスを入力して「OK」をクリックします。
iPhone つづいてログインIDとパスワードを入力します。 「ユーザ名」欄に「pi」、「パスフレーズ」欄に「raspberry」を入力して「OK」をクリックします。
iPhone このようにパソコンからラズパイにログインできました。
ここまでで、ラズパイを操作するために最低限必要な設定が完了しました。

ラズパイに「Under-voltage detected!」と表示される

このメッセージが定期的に表示されるときは、入力電圧の不足です。 使用しないアクセサリ(マウス等)の取り外し(直接ディスプレイとキーボードをつなぐ代わりにSSHログインする)、ACアダプタとの接続に使う USB-Micro USB ケーブルを太いものに変える、ACアダプタの高容量化、などで解消されるようです。