EPUB形式電子書籍の作り方

ここでは、「iBooks」アプリで楽しめるEPUB形式の電子書籍の作り方を解説します。 なお、iPadでのiBooksの使い方についてはiBooksの使い方のページをご覧ください。
難しいことはともかく、すぐにEPUB形式のファイルを作ってみたい人は、 既存の文書・画像ファイルを電子書籍に変換するsigilで電子書籍を作る:テキストの場合ChainLPで電子書籍を作る:コミック/画像の場合 からご覧ください。

EPUB形式の規格

EPUB形式(拡張子“.epub”)の中身は、XHTML形式で書かれたテキスト、画像と、EPUBの情報を格納したテキストファイルを、ZIP形式に圧縮したものです。 このためフリーのEPUB形式の電子書籍は、拡張子を“.zip”に変更してZIP形式の解凍ツールにかけると、その中身を見ることが出来ます。 またXHTML形式でwebサイト/ホームページを作れる方なら誰でも自作できます。
EPUB形式の規格は International Digital Publishing Forum(IDPF)によって策定されており、 その内容は EPUBの仕様(IDPF) で公開されています。

EPUB形式のファイル構造

PC
EPUB形式のzipファイルで、最低限必要なファイルを納めたファイル構造は、図のようになります。
まず、OEBPSフォルダの下が電子書籍の本体です。XHTML形式で書かれた本文と、挿絵などの画像、書式を決定するCSSファイルなどを格納します。 ここに格納するファイル、フォルダは必ずしもこの通りになっている必要はありません。 このフォルダの中身がXHTML形式対応したブラウザで正確に表示されるなら、どのような構造/名前/個数でもOKです。 なお、文字コードはUTF-8またはUTF-16を使用します。
META-INFフォルダの中には、EPUBの各種制御情報を格納したファイルをいくつか入れます。 最低限、“.opf”ファイルの格納場所を示す“container.xml”を1つ格納します。
ルートフォルダには“mimetype”、“[書籍名].ncx”、“[書籍名].opf”の3つのファイルを格納します。
“mimetype”はこのファイルのMIMEタイプを示すテキストファイルです。 このファイル名と中身は、すべてのEPUB形式電子書籍で固定です。 またこのファイルは、zip形式にまとめるとき、そのzipファイルの先頭に、非圧縮で格納しなければなりません。 これを実現するためには、Info-ZIPなどの、ファイルごとに格納順序や圧縮/非圧縮を指定できるzip圧縮ツールを使用する必要があります。
“[書籍名].ncx”は目次のファイルです。拡張子の.ncxはNavigation Center eXtendedの略です。 このファイルはOPF仕様上は省略可能です。
“[書籍名].opf”は、この電子書籍の構造を示すファイルです。拡張子の.opfはOpen Packaging Formatの略です。 OEBPSフォルダの下に格納する場合もあるようです。

EPUB形式のファイルを生成するツール

EPUB形式のファイルを生成するツールとしては、 sigilChainLP を始め、すでにいくつかのものが公開されています。 2012年1月には、アップルが、学校教科書としての利用もできる、インタラクティブな電子書籍が誰でも簡単に作成できるMac用の無料ソフト “iBooks Author”を公開しました。 また、日本語ワープロの老舗: 一太郎も2011年版からEPUB3.0の出力に対応しました。 今後もiPadの普及に伴って多くのツールが開発/公開されると思われます。
当サイトでは、このページで sigilの使い方ChainLPの使い方を解説しています。 ご参照ください。
  • iBooks Author(Mac用)

    PC

    Apple 仕事効率化 無料

    iPadのiBooksに対応する魅力的なテキストブック、料理本、歴史の本、絵本などを、誰でも簡単に作れるようになりました。必要なのはアイデアとMacだけです。まずはAppleがデザインした、豊富なページレイアウトのテンプレートから好きなものを選びましょう。そこにあなたのテキストと画像を、ドラッグ&ドロップの操作で簡単に追加できます。インタラクティブなフォトギャラリー、ムービー、Keynoteプレゼンテーション、3Dオブジェクトなどを追加する場合は、マルチタッチウィジェットを使いましょう。作成中のブックはiPad上でいつでもプレビューできます。完成した作品をiBookstoreに送信するのも、ほんの数ステップ。あっという間にオリジナルの本を出版できます。

作成した電子書籍をiBooksに取り込む

作成したEPUB形式の電子書籍をiBooksに取り込む方法は、 iBooksの使い方のページで解説していますのでご参照ください。

既存の文書・画像ファイルを電子書籍に変換する

Microsoft WORD(docx形式)、PDF、または連番のついた画像(JPEG、PNG)形式の原稿がある場合、それを電子書籍に変換してくれるサービス:Romancerがあります。 基本機能は無料で利用できます。

sigilで電子書籍を作る:テキストの場合

それでは早速EPUB形式の電子書籍を作ってみましょう。 テキストドキュメントを電子書籍に変換するなら、フリーのツール「sigil」を使うのが便利です。 ここではsigilの使い方を説明します。
PC sigilのダウンロードとインストール
sigilオフィシャルサイトから最新版sigilのGithubダウンロードページをたどり、ダウンロードします。 各プラットフォーム用にリリースされています。 Windowsの場合はWindows-Setupと名前が付いたものを選んでください。
インストールについては特に注意することはありません。 ダウンロードした.exeファイルをクリックすればOKです。
PC sigilの起動
sigilをインストールするとデスクトップに右のようなアイコンが表示されます。 これをクリックすると図のようにsigilが起動します。
PC 書籍名、著者名の設定
メニューの[Tools]-[Meta Editor]を選びます。
PC するとダイアログボックスが表示されるので、書籍名、著者名、言語を選択します。
PC 本文の入力
本文は画面の右ペイン、“Section0001.xhtml”と書かれた中に入力します。 他のエディタなどからコピー&ペーストすることも可能です。 後から途中に文章を挿入したり、長文をコピペすると、取り込みに若干時間がかかります。
使用できる文字飾りは限定的です。文字飾りをかけたいテキストを選択した上で をクリックすると、ボールド、イタリック、下線、取り消し線が指定できます。
挿絵などを挿入したいときは、挿入したい位置にカーソルを移動した上で、 をクリックすると、ファイル選択のダイアログボックスが表示されるので、任意の画像ファイルを指定します。
PC チャプター分割
章分割を行いたいときは、分割したい場所にカーソルを置いて をクリックします。
たとえば図で青線の部分で章分割を行いたいときは、赤い四角の部分にカーソルを置いて をクリックします。
なお、これは物理的な章分割です。目次と連携した論理的な章分割は下記で説明します。
PC 目次の設定:論理的な章分割
目次を作りたいときは、目次にリストアップしたい行に「Heading」という属性をつけることにより指定します。 目次にリストアップしたい行を選択した上で、画面左上のドロップダウンボックスから「Heading」を選びます。
「Heading」は1~6の6レベルつけることが出来ます。 通常の小説なら、先頭のタイトルに「Heading 1」を、その他の章の区切り目に「Heading 2」をつければ良いと思います。 目次のリストアップを取り消したいときは「Normal」を選びます。
PC メニューの[Tools]-[TOC Editor]で現在の目次の状態を確認することが出来ます。
PC EPUB形式で保存
入力・編集が完了したらEPUB形式で保存しましょう。 メニューの[File]-[Save]または[File]-[Save As]で任意のフォルダに“.ebpub”形式で保存することが出来ます。
後はこれをiTunesに登録して、iPadと同期すればOKです。
作成したEPUB形式の電子書籍をiBooksに取り込む方法は、 iBooksの使い方のページで解説していますのでご参照ください。
PC iPadのiBooksアプリでの表示例
iPadのiBooksアプリでの表示例はこのようになります。
本

ChainLPで電子書籍を作る:コミック/画像の場合

コミックや書籍のスキャンなど、画像を電子書籍に変換するなら、フリーのツール「ChainLP」を使うのが便利です。 ここではChainLPの使い方を説明します。
なお、コミックの場合は、「iBooks」アプリの他に、iPadの画面いっぱいに表示される 「i文庫HD」を使うのも良いと思います。 好みで使い分けてください。
PC ChainLPのダウンロードとインストール
ChainLPのダウンロードサイトからChainLPをダウンロードします。 対応しているプラットフォームはWindowsのみです。
インストールは、ダウンロードしたファイルを任意のフォルダで解凍するだけです。 解凍されて出てきた「ChainLP.exe」をクリックすると起動し、図のような画面になります。
なお、ChainLPでepub形式を出力するには、ZIP32J.DLLが必要です。 ZIP32J.DLLのダウンロードサイトから「zip3j037.lzh」と「zip232dN.zip」の2つのファイルをダウンロードします。 それぞれを解凍すると出てくる「ZIP32J.DLL」と「zip32.dll」をWindowsのシステムフォルダ(\Windows\system または \Windows\system32(WindowsXp/Vista等))にコピーします。
PC 解像度の設定
メニューの[解像度]から出力解像度を選びます。 iPadの場合は「[W:768 H:1024] iPad」を選びます。 ただし、iBooksで表示させると余白が追加されるので実際の表示解像度はこれより小さくなります。
PC 画像を追加する
ChainLPの画面にスキャンした画像をまとめてドラッグ&ドロップします。 このように読み込まれます。
PC 書籍名、著者名の設定
画面右下のテキストボックスに書籍名、著者名を入力します。
PC 各種設定
画面左の各画像の左にある「絵」チェックボックスにチェックを入れると、カラー画像はカラーとして扱ってくれます。 チェックを外すと、モノクロとして扱われます。
また、画面右の各種設定を行いましょう。
「縦横比チェック」を「カバー半分個」にすると、表紙カバーなど横長にスキャンした画像は半分づつ、2ページに分割されて表示されます。
「ページ補正」を「コミックのみ」にすると、余白部分をカットしてくれます。
PC 目次の設定
目次を作りたいときは、そのページを選んだ状態で画面右下の「目次設定」をクリックするか、画面左の一覧から対象のページをダブルクリックします。 するとこのようなダイアログボックスが表示されるので、目次に表示させる文字列を入力すればOKです。
PC EPUB形式で保存
すべての設定が完了したらEPUB形式で保存しましょう。 画面右の「出力」ボタンをクリックすると任意のフォルダに“.ebpub”形式で保存することが出来ます。 出力が完了するまで数十秒待ちましょう。
後はこれをiTunesに登録して、iPadと同期すればOKです。
作成したEPUB形式の電子書籍をiBooksに取り込む方法は、 iBooksの使い方のページで解説していますのでご参照ください。
PC iPadのiBooksアプリでの表示例
iPadのiBooksアプリでの表示例はこのようになります。
iBooksでは余白が大きく取られるため、画像がやや小さく表示されます。 画面いっぱいに表示させたい場合は「i文庫HD」を使うのも良いと思います。 好みで使い分けてください。